暖房の変化
時代の流れとともに、私たち日本人が過ごしやすい環境を探求していく上で、日本独自の習慣と、欧米流の優雅さを取り入れ、また暖房器具においても変化してきました。
日本における暖房は、昔ながらの囲炉裏炉辺に始まり、コタツ、電気じゅうたん、石油ストーブといった、暖をとりたい場所においては、部分的に暖めるといった方法が主流でした。
これは、部屋数が少ない住宅で、家族が常に一箇所に集まる、家庭の暮らしにおいては、大変重要な暖房方法でした。
しかし、近代化が進むにつれ、住宅は密集し、核家族化が進み、建築構造も変わり、家族それぞれが違う部屋で過ごす時間が増えてきたため、暖房方法も、様変わりを始めました。
暖房器具は、各部屋の高い位置に取り付けられたことにより、温風が顔に当たったり、顔が火照ったり、足元が冷えたり、部屋の一部分だけが暖かかったり、といった使い勝手に支障がでてきました。
そのため、部屋の壁にはエアコンを設置しながらも、コタツやストーブといった暖房器具の併用を、せざる得ない生活を始める結果になりました。
しかし、そうした暖房生活のなかで、いよいよ私たちのお隣の国、韓国の暖房様式が日本にも普及し始めました。
欧米スタイルに併せ、伝統的なアジアの習慣は、私たち日本人にとって大変使いやすく、また重宝するものだったのです。
その暖房とは、「オンドル」といった韓国独自の床暖房システムでした。
オンドルとは、韓国では、5000年も前から使用されてきた床暖房システムで、台所などで使用した熱を、床下の煙道から部屋へ流し込むという仕組みになっています。
この床下の暖かさは、床下だけではなく、その熱が室内へ伝わる効果もあり、足元を暖めることで体中が温もる結果につながるというものです。
冬の寒さの厳しい韓国ならではの暖房が、日本で適さないわけはありません。
こうして、欧米流のスタイルの中でも、床上でくつろぐこともできる、快適な暖房生活を求める家庭が増加し始めたのです。